関裕美『楽園』ファーストインプレッション

以下の文章はデレステのコミュとMVを見る前に、主に曲だけ聴いた段階で書いたものである。

MVの感想は次の記事で。

 はじめに

2018年4月4日に関裕美のソロCDを含むCINDERELLA MASTER 049-051が発売された。
現時点で発売から数ヶ月経っているが、これから長い間つきあっていく楽曲なので、この記事はまだほんの「ファーストインプレッション」である。

※担当アイドルなので、下記の文章にはひいき目が多分に含まれている可能性があります。

 

 発表から発売まで

2017/11/19 6周年イベントで新情報ラッシュのなか、さらっとCM11弾のメンバー発表
2017/11/30~ デレステ『恋が咲く季節』イベント
2017/12/17 『恋が咲く季節/always』発売
2018/1/30~ デレステ『always』イベント
2018/3/9 発売日、曲名、ジャケットイラスト、試聴発表
2018/3/31~ デレステ月末ガチャで限定SSR関裕美「青春デビュー」
2018/4/4 CD発売
2018/4/7,4/8 シンデレラ台湾公演(会沢さんは出演せず)

3/9に日本コロムビアの毎週金曜の更新分でCM第11弾の情報発表。
発売日、関ちゃんのジャケットイラスト、ソロ曲名、試聴が一度に発表された。
http://columbia.jp/idolmaster/imasnews/180309.html

第一報はTwitter経由で知って(会沢さんのツイートだったかも)、最初は「いよいよ発売日決まったか~」とのんきに構えていた。
発表された情報がそれだけではないことに次第に気づいていき、曲名が『楽園』だと知ったときの気持ち。
夜の帰路を歩いている時だった。頭の横をブワッと風が通り抜け、光り輝く楽園への扉が目の前に開いているような感覚。

シンプルな固有名詞にどれだけの思いが込められているのだろう。
アイドルをしている今が「楽園」だと関ちゃんが言ってくれている。
この曲名をつけてくれた作詞・作曲家さんと、それにOKを出してくれたディレクターさんありがとう。

漢字2文字の曲名はアイドルマスター全体でもそれほど多くない。
団結、約束、風花、細氷、恋花、絵本、薄紅、桜彩、(花簪、薄荷も入るか)(漏れがあったらすみません)
だからインパクトが大きかった。

 試聴

関ちゃんにボイスが付く前から「ソロ曲はどんな曲になるだろう」と想像を巡らせていた。
いかにもアイドルらしいかわいい曲、それとももっとナチュラルな柔らかい曲だろうか。

試聴を聴く。
想像していた曲調とはちょっと違った。
「すごい曲が来てしまったのでは」という予感が体の中を走る。

Cu曲よりも無色透明というか、ポケモンでいうとノーマルタイプというか。
そういう意味では『S(mile)ING!』に近いかもしれない。色は『Star!!』のような全体曲なイメージ。

それでいて関裕美の曲としかいいようのない曲。

歌詞から思い浮かぶ情景は、初めてのステージを前に少し足がすくむけど、ペンライトの光に飛び込んで笑顔で歌い踊る関ちゃんの姿だ。
それは戸惑いながらもアイドルの世界に足を踏み入れて、楽しさを感じ始めた関ちゃんそのものだ。

特別なこと何もできないよ 沢山の笑顔見せてあげるね あなたに向けて

このパンチラインの強さよ。

翌日に地元のPによるカラオケOFFがあったので、急いで名刺サイズのフライヤーを作って名刺と一緒に配った思い出。

 CD発売

 


CDを買ってきて初聴き。
試聴で何度も聞いた1番が終わって2番に。
間奏が普通だったら8小節だと思うんだけど、もう8小節続く。ちょっと意外に感じたところに続く美しいピアノの旋律。
からの2番の出だしが「さあ 思い出作ろう」。個人的にはアイプロ「みんなのなつやすみ」での水着姿がいつも思い出される。
1番から間奏、2番、Cメロ、大サビへオケがどんどん展開していくのがすごく良い。(2番Aメロのストリングス、Cメロの鐘の音とか)

1番はアイドルになったことを歌っていたのだが、2番から人生そのものを歌いスケールが大きくなる。

卯月の(いわゆる)覚醒前後の『S(mile)ING!』を通して聞いているような感覚。

ソロ曲のスケールを超えている感じは『ミツボシ』に近いけど、『ミツボシ』がシンデレラガールズ全体を歌っているのに対して、『楽園』は一人一人のアイドルの存在に絞っている。アイドルになって人生が変わるというのは、アイマスのアイドルに普遍的なテーマでもある。

曲全体を聴いて、アニメ2期か劇場版の主人公が関ちゃんなのではないかと思ってしまう力がある。

試聴の時に感じた「これはすごい曲が来てしまったのでは」という予感は、何倍にもなって現実になった。

逆にライブで配置に迷う気がする。すごい大団円感なのでソロ曲のトリじゃないと収まりがつかないんじゃないだろうか。

『楽園』の感想で、王道Cuという評価をそこそこ聞くのが個人的にはちょっと意外。
Cuはもうちょっとかわいいに振っているイメージなので。(関ちゃんの声がかわいいからか)

 優しいうねり

音楽に詳しくないので言葉にするのが難しいが、曲を聴いていると、やさしいうねりに身を任せているような心地よさがある。暖かな海に浮かんでいるような。
なんとなく小節の1拍目に強めの音が置いてあるのでそのせいかなと思う。
基本穏やかな曲なのにBPM173と結構速いのも影響しているのかも。

 歌声

歌声が少し揺れる感じがいい。幼さが顔を出す瞬間もいい。
生っぽいというかライブ感があるというか。
「私らしく笑えるかな」
「言えない秘密に」
「背伸びしながら めぐりあいたい」
「出会い別れ繰り返して」
会沢さんのニュアンスのつけ方がすばらしいと思う。

 歌詞について

繰り返し歌詞に出てくる「あなた」とは誰なのか。
ファンなのかプロデューサーなのか。
それらを合わせてもまだ足りない感じがした。

デレステNightのニコ生で会沢さんが話していたエピソードで、
レコーディングのときに作詞作曲の渡辺量さんが「”あなた”というのは会沢さんのことでもあります」と話したそうだ。
それだ!まさしくそれだし、また聴く人によってそれぞれ思い浮かべる人は違うだろう。

お願い!シンデレラ』の歌詞の「君」とも繋がると個人的には思う。ストレートに解釈すればプレイヤー=プロデューサーだけど。

心にシンデレラ
私だけじゃ始まんない
変われるよ 君の願いとリンクして


『楽園』の作詞・作曲は渡辺量さん。
これまでもアイマスにはいくつも曲を提供しているが、
特に作詞・作曲を両方手がけた曲を聞いていくと共通のテーマがあるように感じる。
人生におけるエモーショナルな瞬間を切り取り、生きること自体の喜びを謳っている。

『Dazzling World』

時が流れて 光りだす
想い出一杯 作るのよ
二人が逢えた 人生も
一度きりだと 知ってるわ
手と手つないで 歩き出す
あなたと生きる 素晴らしい世界!

2017年のプロデューサーミーティングで三瓶さんがサプライズ出演して披露したのが記憶に新しい。
一時はDSの展開が途切れたりもしながら、SideMの2ndライブを控えたタイミングでの歌唱だったのですごく心に響いた。
ここでの「あなた」も、涼ちんと三瓶さんの関係と捉えることができる。
涼ちんはモバマスのイベントで関ちゃんと共演している。
同じく私の担当アイドルである菊地真とも繋がりがあるので、真-涼-関ちゃんと繋げられるのも個人的にうれしい。

『アマテラス』

過ぎ行く時間の中で
歓び哀しみを共に分かとう
廻り行く生命の中で
一度きりの物語今旅立とう

『アマテラス』は個人的に結婚式ソングのイメージがあった。
ライブで浅倉さんが結婚式イメージと話していて、同意見だと分かって嬉しかった。
『楽園』も結婚式っぽいという意見を目にしたことがある。

『Twilight Sky』

一度きりの旅だから
自分だけの旅だから
好きなもの集めるんだ 間違ったっていいんだ

青春という人生の瞬間を真正面から肯定する曲。
同時に青春以外の瞬間も肯定しているのが美しい。

これら愛されてきた曲のなかに関ちゃんの曲が入ることを嬉しく思う。

「選んだ道を 歩き始めよう」の部分のコーラスは最初聞き取れなかったのだが、ボーカル抽出したら聞き取れた。たぶん「I will want with you」だと思う。文法的に正しいかはわからない。

シンデレラガールズのアイドルにとって、ソロ曲が出るというのはひとつの大きな区切りだと思う。
そのタイミングで「思い出作ろう」「今始めよう」「歩き始めよう」と新たなスタートを歌ってくれるという喜び。

 楽園

ドラマパートで関ちゃんが「みんなの中にある」と言っていることと、ボーナストラックに収録されているセリフ「アイドルになって、世界が輝いて見えたの。でも、きっと最初から輝いてたんだよね。」からわかるように、端的に言ってしまえば「世界が輝いて見える心のありよう」となる。

 聴いてる

毎日移動中に聴いている。間違いなくCinderella Masterの中では一番聴いているし、回数はもしかしたらアイマスの曲の中でトップかもしれない。

聴いているだけで泣けてくるのは回避できるようになった。
聴きながら口ずさむこともあるが、大サビは胸が詰まってしまう。
劇場版アイドルマスターを観たあとに『M@STERPIECE』を歌うようなものである。

 ライブでの披露を待つ

会沢さんがSS3Aか6thで披露するときに果たして歌いきれるのか。
プロデューサーの気持ちで言えば、なんとか歌いきってほしい。

 アイドルマスターとは、に至る

アイドルになるということは、それを選ばなかった人生と比べてかなり特異な経験をすることになる。端的に言えば人生が変わる。
アイドルマスターのアイドル達は多かれ少なかれそうだ。大人組もそうだし、SideMの「理由あって」も正にそうだ。
笑顔が苦手だった関ちゃんもアイドルになって変わったひとりだ。
だから『楽園』に思いを巡らせていると、最終的にアイマスそのものについて考えることになる。

 エモ

曲自体もそうだしalwaysコミュにしろ、CDのドラマパートにしろ、6th記念イベントで会沢さんが「エモいセリフを任せてもらって…」と言っていたように、最近関ちゃんにエモが積まれている。
本当にありがたいことではあるが、関ちゃんはいろんな別の面も持っているので、そっちの方もみんなに見てもらえるとうれしい。

 CDの曲以外の部分

  • ドラマパートのPの若干ウザい感じがTwitterの関ちゃんPのイメージまんま
  • なりきりレッスンがハロウィンヴァンパイアだったり
  • ボーナストラックでセリフを聞いてからTrack1に戻って始まる『楽園』が劇場版のエンディングのよう

 便利情報

Paul’s Extreme Sound Stretchというフリーソフトを使うと、曲の再生時間を何千倍にも引き伸ばせる。それにより『楽園』をほぼ無限に聴くことができる。
おすすめは8~16倍に伸ばすとアンビエントなヒーリングミュージックになる。(どの曲でもだいたいそうなる)
PCのみとか読込できるファイルがwavだけとか日本語化されてないとかハードルは若干高いがどうぞ。